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視覚障害について

視覚障害とは

平成28年の厚生労働省の調査によれば、視覚に障害のある方々の数は31万2千人とされていますが、これは、国の定める基準に該当する、身体障害者手帳を交付さされた方々に限った数字であり、その基準に該当しないまでも一定の見えにくのある方々の数は、164万人にのぼるとの推計もあります。
見えにくさは、眼球から脳に至る視覚情報を得るための一連の機能のいずれかに不具合が生じることによって起こりますが、原因は、疾患のほか、加齢や事故によることもあります。また、生じる時期は、先天性の要因により幼少期から生じることもあれば、年齢を重ねた段階で生じることもあります。

視覚障害は、視力障害と視野障害に大別されます。

視力障害は、適切な矯正を行ってなお一定以上の視力の向上が難しい状態です。眼球の透明な部分に濁りが生じ、鮮明な映像を得ることが難しくなる結果として視力が低下する場合もあります。

視野障害には、視野が狭くなるもの、一部が欠けるもの、それらの症状が進んだ結果、中心や周縁の限られた部分にのみ残るものなどがあり、例えば、視野の中心部分にのみ視力が残る求心性視野狭窄や、逆に、視野の中心部分の視力が失われる中心暗点と呼ばれる状態などがあります。さらに症状が進んだ結果として、視力が失われることもあります。

視覚に障害があるといった場合、全盲と呼ばれるほとんど見えない状態の方々ばかりでなく、弱視(ロービジョン)と呼ばれる限られた見え方で生活を送っている方々がおられ、その見え方によって困難が生じる場面や事柄は様々であり、その結果、必要となる支援も異なることに注意が必要です。だからこそ、それぞれの見え方を的確に把握して、適切な支援を行う必要があります。

ロービジョンとは

ロービジョンについての定義をご紹介します。

世界保健機関 (WHO) の定義

ロービジョンとは矯正眼鏡を装用しても「視力が0.05以上、0.3未満」の状態

公益社団法人日本眼科医会 ロービジョンケアの定義

視覚に障害があるため生活に何らかの支障を来している人に対する医療的、教育的、職業的、社会的、福祉的、心理的等すべての支援の総称である。発達・成長期にある小児に必要なハビリテーションあるいは主に成人の中途障害に対応するリハビリテーションを目的とする。
よりよく見る工夫(例:視覚補助具、照明)、視覚以外の感覚の活用(例:音声機器、触読機器)、情報入手手段の確保(例:ラジオ、パソコン)、その他の生活改善(例:点字図書館、生活訓練施設)、進路の決定(例:特別支援学校、職業訓練施設)、福祉制度の利用(例:身体障害者手帳、障害年金)、視覚障害者同士の情報交換(例:関連団体、患者交流会)等ができるよう情報提供し、諸種の助言、指導あるいは訓練を行う。

日本ロービジョン学会 ロービジョン関連用語ガイドライン 弱視の定義

「弱視」には「(医学的な)弱視」と「(社会的な)弱視」がある。
「(医学的な)弱視《(いがくてきな)じゃくし》」amblyopia
乳幼児期の視機能が発達していく過程における視性刺激遮断が原因で、正常な視覚の発達が停止あるいは遅延している状態。
「(社会的な)弱視《(しゃかいてきな)じゃくし》」partially sightedness, partially sighted, partial sight
視覚障害はあるが、主に視覚による日常生活および社会生活が可能である状態。

日本眼科医会報道用資料(平成21年9月17日)

「視覚障害がもたらす社会損失額、8.8兆円!!~視覚障害から生じる生産性やQOLの低下を、初めて試算~」世界的には良い方の目の矯正視力が基準
米国の基準を用いて推計
ロービジョン: 良い方の視力0.1以上0.5未満
ロービジョン者:144万9千人
失明:良い方の視力0.1以下
失明者:18万8千人
視覚障害: ロービジョン+失明
視覚障害者:約164万人

盲ろうとは

盲ろうとは、目(視覚)と耳(聴覚)の両方に障害を併せ有する状態を指すが、その障害の状態や程度は様々である。見え方と聞こえ方の組み合わせによって、「全盲ろう」、「全盲難聴」、「弱視ろう」、「弱視難聴」という4つのタイプに大別される。また、障害の発症時期によって、先天性の盲ろう者、中途で障害を発症した中途盲ろう者など、盲ろう者になるまでの経緯も様々である。

盲ろうとは

2012年度に社会福祉法人全国盲ろう者協会が実施した「盲ろう者に関する実態調査」において、「視覚と聴覚の両方の障害の身体障害者手帳を公布されている者」は、約14,000名であった。また、2017年度に国立特別支援教育総合研究所が実施した実態調査では、全国の特別支援学校に在籍する盲ろう幼児児童生徒数は約300名であった。そして、視覚と聴覚の他にも、知的障害、運動機能障害、内臓疾患など、さまざまな障害を有していた。

盲ろうは、視覚と聴覚からの情報が入らない、もしくは入りにくいため、情報入手、コミュニケーション、移動など、様々な場面で困難が生じる。
盲ろう者が得られる情報は、直接触れるか、保有する視覚と聴覚で把握できる限られた範囲にある不鮮明な情報に限られる。これらの情報は、一度に取り入れられる情報量が極めて少なく、非常に多くの時間と集中力が摂取と処理に必要とされる。

また、コミュニケーションについては、一対一が基本であり、時間もかかるため、コミュニケーションの量が圧倒的に少なく、多くの時間と配慮を必要とする。先天性の盲ろう者が言語を獲得するまでには、多くの時間と学習の段階が必要であり、後天性の盲ろう者は、既に身につけているコミュニケーション手段と障害の状態に応じて、様々なコミュニケーション方法をとっている。以下に、盲ろう者の主なコミュニケーション方法を挙げる。サイン、手話、触手話、指文字、触指文字、点字、指点字、手書き文字、普通文字、拡大文字、話しことば、キュード・スピーチなどである。

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